ダイエットのROI(2)

前回のエントリでは3つのことを述べた。

dakusui.hatenablog.com

すなわちダイエットの成否を左右する「克己心」は限られた資源であり有効に用いるべきものであること。ダイエットにおいて目標とされる体重は正確に測定できるものではなく、その変化の傾向を把握すべきものであり、それには数日単位の時間がかかること。今一つはそれゆえ体重をダイエットの指標にすると克己心という資源がどの程度有効に用いられているか把握が困難になることである。

ではどうするべきか?

消費したカロリーよりも摂取したカロリーの方が大きければ人間は確実に痩せる。ではどのくらい痩せるか?

ラードと呼ばれる食品がある。豚脂とも呼ばれる。名のごとくブタの脂肪である。
1kgあたり9,020kcalのエネルギーを持つ。

まず読者に問おう。人の脂肪は1kgあたり、どの程度のエネルギーを持つのであろうか?

ブタと人間はどちらも哺乳類である。それほどの違いはあるまい。したがって、ひとまず9,020kcalと推測しておこう。我々の目的はダイエットであり、この程度の精度の数値で十分だ。いずれ述べるが私は過去、自身の身体を用いて実験を行い、この数値を確かめたことがある。

ということは摂取したカロリーの累計から消費したカロリーの累計を減じ、それを9,020kcalで除すれば、その期間に減少した体重が求められる。
では摂取したカロリーや消費したカロリーは、どうすれば求まるのか?

摂取したカロリーは摂取した食品の栄養成分表示を合計することによって手間はかかるものの求められる。消費したカロリーはどうであろうか?これはなかなか困難である。「今日は頑張ったから少し多めに食べてもいい」と自分に言い訳することは多いのではないか。「頑張った」の内容は階段を上ったりする程度のことだったりもする。これをやってしまうと努力の効果が確認できず、ダイエットがウヤムヤになる。

そこで私は「活動量計」と呼ばれる器具を使うことをおすすめしたい。色々と種類があるが私が使ったのはfitbitという商品だ。Apple Watchでもいいと思うが、これの方が電池の持続時間が長く消費カロリーの測定が正確にかつ楽になると思う。


24時間常に装着しておくと、消費したカロリーが自動的に計算されていく。歩数計と脈拍計が内蔵されており、それに基づいて計算を行っているので自転車による運動を行なった場合、アプリなどを用いて後から人手で補正する必要がある。

これによって得られた数字と、その日の摂取カロリーを用いれば、その日何グラム痩せた<はず>か、が分かる。

なぜ、これが便利か?

先にも述べたように克己心は貴重な資源である。それゆえ有効に使わなくてはならない。目の前にある美食を我慢するべきか、堪能するべきか。その判断は客観的で信頼に足る情報に基づくべきである。それを確実に行えなければダイエットは成功しない。

なぜなら人間誰しも、欲求に身を任せたいときはあるからである。ではどこまでその欲求に身を任せることが適切か。活動量計に表示された数字と食品の栄養成分表示がそれを示してくれるのだ。